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口臭のメカニズムと口臭の原因となる歯周病とドライマウスの改善方法

口臭を嫌がる女性たち

自分の口臭が気になるという方、意外と多いと思います。なぜなら、人は完全に引き籠るか無人島にでも漂流しない限り、自分以外の誰かと関わって生きていかなければいけません。そうなれば、ほとんどの人が『人に自分がどう見られているか』と気になります。

特に臭いの事って人に注意しづらいから、自分で気を付けるしかないですよね。
その中でも口臭は特にデリケートな問題。口臭のメカニズムと対策について少し考えてみましょう。

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1.口臭のメカニズム

口臭の原因をチェックするイメージ

口臭とはそもそもなんでしょうか?
『口の臭い』といっても原因は様々あります。焼肉やバジル系パスタ等、にんにくの効いたようなものを食べた時等はどんな人でも口臭は強くなります。

でも、常に口の臭い人っていますよね?
そういった人は、なぜ常に口が臭い状態なのでしょう?

まずは、口の中。
皆さんの口の中には必ず唾液がありますが、この唾液にも元々臭いがあります。ですが、大半は口の中にいる細菌により産生されるガスが臭いの原因となります。

次に口以外の原因となると全身疾患です。
食道癌、胃癌などの消化器疾患や肺癌、副鼻腔癌、肝硬変なども口臭の原因となります。
ですが、こちらに当てはまるのは特別なものが多く、ほとんどの方は当てはまらないのではないかと思います。

そう、皆さんが悩まれる口臭の原因の80%は口の中にあると言われているんです。

大きく分けて2種類に分かれます。

生理的口臭

まずは『生理的口臭』があります。
これは朝起きたときや空腹時・疲労・緊張したときに感じる口臭です。

原因としては、唾液の分泌が減少することで、細菌が増殖することで口臭レベルが高くなるために起こります。
でも、これも一時的で、食事をしたり、水分補給をすることで改善できます。

病的口臭

では、常に口臭の強い人に一番多い原因とは?
それは『病的口臭』です。

先ほど出た全身疾患ではなく、口の中の病気が原因の口臭です。
代表的なものでいうと、『虫歯』『歯周病』です。

虫歯や歯周病の原因は、主にお口の中の清掃が不十分な状態で細菌が増殖・定着することです。

虫歯による口臭

虫歯は、小さな虫歯の場合はほとんど口臭に繋がることはありませんが、神経を取らざるを得ないような大きな虫歯だと口臭の原因になります。

虫歯なのに治療せずに放置していると、痛くなるだけでなく、口臭まで強くなっちゃうんですね。

歯周病による口臭

歯周病のイメージ

次に歯周病です。

実は歯周病は日本人の国民病の一つと言われるほど多いって知っていますか?
その数、なんと35歳以上で8割以上です。

小学生でも約4割が歯周病というのが厚生労働省の平成23年歯科疾患実態調査で明らかになっています。

この歯周病が誰もが顔を背けたくなるような口臭に大きくかかわっているんです。

歯周病とは、歯肉の病気ですが、なぜそれ程までに臭いが強くなるのでしょう?
歯周病は、歯と歯肉の間の歯周ポケットと呼ばれる部分に磨き残したプラーク(歯垢)が溜まったままになる事で起きます。

この『プラーク』は皆さんCMなどでも耳にしたことがあると思いますが、これ実は生きている細菌の塊なんです。

歯周ポケットは深くなると酸素供給が出来なくなります。その中で細菌の中でも特に強い嫌気性菌を増殖させ、組織や血球成分等のタンパク質を分解させます。
それらの過程でガスを産生させることで口臭がきつくなるんです。

歯周病は悪化すればするほどに悪臭を放ちます。
そして、最終的に歯を脱落させる事にもつながります。

ドライマウス

ドライマウスによる口臭を気にする女性

では、虫歯や歯周病以外の口の中の病気はどうでしょう?
昨今、増えていると言われるのが『ドライマウス』です。

ドライマウスとは、唾液が減少し口の中が常に乾きやすい状態にあることを言います。
具体的な症状としては、水分の少ないクッキーやクラッカーなどが飲み込みにくい、味が感じにくい、口の中がネバネバする、悪化すると口が乾いてヒリヒリするという人もいます。

もともと人は高齢になるにつれ、唾液が減少しやすくなる事と、高齢になるほど様々な薬を併用する方が多いので、高齢者に多い病気と思われていました。特に降圧剤を服用されている方に多くみられる症状だったんです。

ですが、生活習慣の変化や自律神経の乱れなどストレス社会と言われる現代では、若い人でもドライマウスになる人が急増しています。

先ほど生理的口臭でも唾液というワードが出てきましたが、口臭の話で切っても切れないのがこの『唾液』の働きなんです。

唾液はただ口の中を潤しているだけではなく、食べたものを消化しやすくするなど様々な役割を持っています。
そんな唾液ですが、口臭に関わる働きとしては、口の中を綺麗に保とうとする抗菌作用や自浄作用等があげられます。

ドライマウスはもちろん、様々な要因から唾液が減少すると唾液の働きが弱くなり、結果口臭が強くなりやすくなると言えます。

心因的口臭

それともう一つ『心因的口臭』というのがあります。

これは、生理的口臭の中でも他の人には分からないくらいのレベルなのに、何故か当の本人だけはものすごく口臭が気になる、気にしすぎるというものです。
こちらに関しては、心療内科での治療がメインになります。

2.口臭を改善するには

2-1.歯周病

口臭がどういうメカニズムで起こるのかが分かったので、次はどうすれば改善するのかを解説していきます。

全身疾患や心因的口臭はアプローチとして自分で改善するのが難しいので、口の中に原因が見られる病的口臭の改善方法を考えてみましょう。
その中でも、虫歯は一刻も早く歯科医院に行って治してもらうしかありません。

では、歯周病はどうでしょう?
歯周病は虫歯と違い、歯科医院任せにしていても治るものではありません。もちろん、歯がぐらつく、歯肉が急激に腫れた、歯石が溜まったままになっている等の症状は自分でどうにかすることはできないので、歯科医院に行ってそれなりの処置をしてもらう必要があります。

ですが、それだけで歯周病は治りません。

歯周病というのは、単に歯肉が腫れているだけでなく、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間に深い溝ができます。
その中に溜まったプラークが口臭の原因であることは先ほども説明しましたが、この部分に溜まったプラークは簡単には除去できません。

なぜなら、深くなった歯周ポケットの中までハブラシの毛先を届かせるのが難しいからなんです。

健康な歯肉の人の歯周ポケットは1~3㎜に対して、歯周病の人の歯周ポケットは4㎜以上です。進行して10㎜以上の歯周ポケットになる人も珍しくありません。

もちろんプラークは歯周ポケットの中だけでなく歯にも付着します。

では、溜まったままになったプラークはどうなるでしょうか?
プラークは約48時間放置されたままになると、唾液の中のカルシウム成分により徐々に石灰化し始めます。固くなってくるんですね。
これが、歯石です。

プラークは生きた細菌の塊ですが、歯石はその死骸のようなものです。

歯石は、固く強固に歯に沈着しますので、自分で取ることはなかなかできません。なので歯石を取るためは歯科医院で歯石除去をしてもらう必要があります。

歯科医で行う歯石除去

この歯石を取ってもらわないと、歯肉はますます腫れやすくなりますし、歯石の表面はザラザラしているので、さらにプラークが溜まりやすくなり、また歯肉が腫れやすくなるという悪循環にも繋がります。

しかも、鏡で口の中を見て見える範囲の歯に沈着した歯石は白く比較的柔らかいのですが、歯周ポケットの奥で歯の根元あたりに沈着した歯石は酸素が行き届かないため、真っ黒でとても強固に歯に沈着しています。

市販でも歯石除去を自分でも行えるスケーラーという器具が売られてますが、歯周ポケットというデリケートな部分の歯石除去は素人には危険で、誤った使い方をすると、不必要に歯肉を傷つける恐れもありますので、歯石除去は専門家にお任せした方が安心です。

では、歯科医院で歯石除去をしてもらった後はどうするのでしょうか?
先ほども言いましたが、歯周病は歯科医院に任せるだけでは治りません。歯周病の改善で最も大切なのはケアです。そう歯磨きですね。

歯磨きなら毎日している。という人がほとんどだと思います。

では、なぜこんなにも歯周病の人が多いのでしょう?
それは“磨いているけど、磨けていない”からなんです。

歯周病になる人は磨き残しが多いのにそれに気づかないので、症状が悪化してからしか自分が歯周病だという事に気づけないんですね。

歯磨きは、ハブラシを口の中に入れて適当に動かして終わり!
歯磨きはしているけど、ハブラシはもう半年くらい変えてない。なんて方もいます。そういった方は、今は歯周病の症状が出ていなくても予備軍と思ってもらった方が良いでしょう。

では、どんな風に歯磨きをすれば良いのでしょう?
まずは、道具選びです。

自分に合った歯ブラシの見つけ方

歯ブラシ

現在、ハブラシは数百種類と言っても過言ではないほど様々な商品で溢れています。その中から自分に合うハブラシを探すのは至難の技ですよね。

そんなハブラシ選び方のコツですが、一つ目にヘッドと呼ばれるハブラシの毛の部分が大きいものはやめておきましょう。
一見、大きい毛先で一気に綺麗に磨けそうですが、奥歯の方までハブラシが届かず磨き残しに繋がりやすいと言えます。ハブラシのヘッド部分は小さめの物がお勧めです。

だからと言って、子供用のハブラシを使用する方もいますが、子供用のハブラシは大人が使用するものに比べて、ハブラシ全体の長さが短めに設計されていますので、こちらも奥歯の方を磨き残してしまう事に繋がりますのでやめましょう。

次に、ハブラシの毛の固さです。大きく分けて『かため』『ふつう』『やわらかめ』の3種類があります。

メーカーによって微妙にそれぞれ固さが異なるので、一概には言えませんが、『かため』のハブラシはプラークは落としやすいですが、歯肉には刺激が強く痛みを生じやすいので、歯周病の方にはあまりお勧めできません。
逆に、『やわらかめ』は歯肉には優しいけれど、プラークの清掃量という点ではあまりお勧めできません。なので、まずは『普通』の固さのものを選んでみましょう。

実際に使ってみて、ヘッド部分の形や固さなど自分の好みを見つけるのが自分に合うハブラシを見つける一番の近道です。

では、自分に合うハブラシを見つけた後ですが、そのハブラシをずっと使い続けるわけにはいきません。

ハブラシは消耗品です。1日2~3回使用したとして、衛生面を考えても交換の目安は1か月と言われています。

ですが、これは正しく使用した場合です。

力任せにゴシゴシと磨くのが癖になっているから1週間もしないうちに毛先は広がってしまう。なんて方はすぐに交換しましょう。

プラークはハブラシの毛先が直角に当たった時が最も効率よく落とすことが出来ると言われています。毛先の広がったハブラシでは、いくら磨いても磨けたとはいえないんです。

プラークを落とす歯の磨き方

歯を磨く女性

では、次に磨き方です。

先ほどもプラークが最も効率よく落ちる角度の話をしましたが、力加減って実はものすごく大事なんですね。

強すぎると、ハブラシの毛先の角度を変えてしまいプラークを押し付けるだけになってしまいます。逆に力が弱すぎるとプラークを落とすことは出来ません。

ベストな力加減は100~250g程度の力と言われてますが、目安として、自分の手の甲にハブラシの毛先を当てて痛みのないくらいの加減です。

そして、最も大切なのはハブラシの当て方です。

歯磨きをする時に意識してほしいのですが、お口の中でも歯はとても複雑な形をしており一人ひとり歯並びも違います。

その中でも、皆さんが磨き残しやすい部分というのは意外と共通しているんです。それは、大きく分けて3か所です。
『奥歯の溝』『歯と歯の間』『歯と歯肉の境目』この3か所が磨き残しの多い3大リスク部位と言われています。

これに加えて、歯並びの悪い人は歯と歯が重なっている部分や歯並びの中で凹凸している部分があげられます。

その中でも、歯周病の方に特に気を付けてほしいのは『歯と歯肉の境目』です。
この部分にプラークが停滞したままになる事で、歯周病になるリスクがかなり高くなりますので毛先を当てるようにして磨きましょう。

そして、ハブラシを動かすときは大きく動かすと細かい部分に毛先が当たらなくなりますので、歯を1本か2本ずつ磨くイメージで小さく動かして磨くようにしましょう。

これを、毎日意識しながら磨くことが歯周病の改善・予防になり、もちろん口臭の改善にも繋がるのです。

2-2.ドライマウス

シェーングレーン症候群などの全身疾患や、服用中の薬の副作用または口呼吸の方の場合は、セルフケアだけでドライマウスを改善することは難しいでしょう。
この場合は全身疾患の担当医師に相談、口呼吸であれば耳鼻科医院の受診が必要になってきます。

笑顔の歯科医

歯科医院でも、対症療法として人口唾液、保湿ジェル、うがい薬、トローチ、唾液の分泌を促進してくれるような薬の投与をしてもらえます。ただ、どの歯科医院でも対応しているわけではないので、ドライマウスの専門外来等に行ってみる方がお勧めです。

では、セルフケアではどのようなことが出来るのでしょう?
こちらの方法はドライマウスの改善だけでなく予防にも繋がりますので、今は気にならない人も実践してみると良いですね。

まずは『ストレスを溜めない』こと。ストレスは生きていればどんな人でも感じることはあります。ですが、ストレスが溜まった緊張状態の時というのは、交感神経が優位になり唾液の分泌は減少します。逆にリラックス状態だと副交感神経が優位になり唾液の分泌は促進されます。

仕事で疲れて帰って、そのまま寝てしまう。というような人は身体が休まる時間がなく唾液の分泌がどんどん減少してしまうんです。

因みに、寝ているときは副交感神経が優位な状態にはあるのですが、お口の中への刺激がほとんど無いため唾液の分泌は減少してしまいます。そう、お口の中を刺激するというのも唾液分泌を促進する上でとても大切です。

お口の中には、唾液腺と呼ばれる組織が多数あり、この部分を刺激することは唾液分泌を促すのにとても有効です。
具体的に言うと『唾液腺マッサージ』です。

大きな唾液腺は3か所あり、耳下腺、顎下腺、舌下腺です。耳下腺は両耳の手前あたり、顎下腺は両えらと首の間あたり、舌下腺は下あごの真下あたりです。
この3か所を刺激する事で唾液の分泌が促進されます。

食事でももちろん唾液腺は刺激されます。昔に比べて現代の食事は柔らかいものが多くあまり噛まずに飲み込むことが出来ます。その為、噛む回数が少なくなり、唾液腺への刺激が少なくなってしまったと言われています。

食生活が乱れ朝食は食べない。という方は特に注意が必要です。

『規則正しい生活』は自律神経を整えてくれるので、全身疾患の予防としても大切ですが、同時に口臭予防にも繋がっているんです。

ドライマウスで気を付けたいのは他にもあります。
それは『アルコールや喫煙』です。

ビール

アルコールは、お口の中の粘膜を刺激し乾燥しやすい状態に陥りやすいんです。

飲酒後にのどが渇きやすくなるのを想像すると分かりやすいと思います。

気を付けてほしいのは、飲み物のアルコールだけではありません。うがい薬です。
うがい薬には様々な種類がありますが、その中でもアルコールが含まれる刺激のあるタイプのものです。こちらも同様に粘膜を刺激し、乾燥しやすくなってしまします。

同じ口腔清掃用品でもっと身近なものだと、歯磨き粉にも注意が必要です。

歯磨き粉の発泡剤と呼ばれる磨いている時にブクブクとなる成分です。この発泡剤も粘膜を刺激をしやすくドライマウスの方は控えた方が良いでしょう。

ドライマウスの方には発泡剤の含まれないジェルタイプの歯磨き粉がお勧めです。

最後に喫煙です。

喫煙は百害あって一利なしと良く言われますが、お口の中にとっても例外ではありません。

タバコに含まれるタールやニコチンなどの有害成分により、血行が悪くなり唾液分泌が減少されるのはもちろん、歯周病も進行しやすくなります。

すぐには無理でも、少しづつ本数を減らし辞めることが望ましいです。

どうでしょうか?生活習慣を変えることは簡単ではありませんが、唾液腺マッサージや使っている歯磨き粉やうがい薬を変えるというのは割と簡単に取り入れやすいと思います。

まとめ

口臭をすぐに改善させることは難しいですが、臭いというのは人と人がコミュニケーションをとる時にそれだけで相手に不快な思いをさせてしまいます。

自分だけの問題のようでそうではないんです。外見だけではなく、お口の中から綺麗になりましょう。

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