子どもを連れて離婚する時にかならず知っておきたい調停の話
PR 更新日: 2023年02月16日
離婚をしたいとどんなに強く思っていても、話し合いによる離婚ができない場合、家庭裁判所での調停手続きを経なければ、法的に離婚はできなくなっています。どうしても離婚をしたい場合、調停を申し立てる必要があるのです。
離婚調停を申し立てるにはどうしたらいい?
離婚調停を申し立てた後、どのように進められるの?
他になにかやっておいた方がいいことは?
離婚調停をするにあたって初めてでわからない事だらけですよね。子育てをしながら、法的な事を勉強する時間なんてありませんよね。
今回は、離婚調停の一般的な流れと子どもに関する手続きについてご紹介させていただきます。
離婚調停までのおおまかな流れ
まず、離婚調停の申し立てをします。
その後、離婚調停の申し立てが受理されると、申し立て日から約2週間程度経ってから、家庭裁判所から「期日通知書」が夫婦どちらにも送られてきます。
「期日通知書」には、調停の日時が書かれています。
期日は、申立て日から約1カ月後になること多いです。
都市部では、申立て数の件数がとても多いので、1カ月後より後を設定されることもあります。
調停は、平日のみの開催ですので、注意が必要です。
離婚調停を申し立てるのに必要なもの
- 夫婦関係調整調停申立書
近くの家庭裁判所の案内窓口で、入手できます(無料)。簡単にですが、書き方も教えて下さいます。 - 申立人の印鑑
- 夫婦の戸籍謄本
本籍地の市役所で入手できます。 - 1,200円分の収入印紙
- 切手代
切手代は、家庭裁判所によって異なります。
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てなければいけません。
申し立てする家庭裁判所が遠い場合
子どもがいるのに遠い家庭裁判所まで行かなければいけないの?
離婚調停では、調停を取り行う家庭裁判所について、夫婦の合意さえあれば自由に決めることが可能となっています。
ただでさえ揉めている相手。
なかなか合意を得るのは難しいですよね。
「どうしても近くの家庭裁判所で離婚調停を開きたい」そんな時は、家庭裁判所にその事情を書いた「上申書」を提出すれば、認められることがあります。
弁護士に相談
夫婦関係調整調停申立書を出す前に。
何もわからない調停の事をに事前に弁護士に相談する事で不安の解消にもなります。
弁護士に相談なんて高いのでは?
- 収入等が一定額以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
この条件を満たせば、法テラスで契約している弁護士に1つの問題につき3回まで無料で相談できます。
現在、生活費はもらっていますか?
夫と別居している場合、今まで支払ってもらっていた生活費が支払われなくなったり、夫の通帳を管理していたけど、給与振込の口座を変更されたり、通帳を再発行されるケースがよくあります。
そこで、離婚が決定するまで生活を維持するのに、生活費(婚姻費用)の請求をした方が良い場合があります。
- 夫よりも収入が少ない
- 別居してから今まで生活費を一切もらっていない
- 離婚の成立までに時間がかかりそう
- 未成年・就業していない子どもを育てている
これに当てはまる場合、離婚調停と同時に婚姻費用の分担請求調停をすることをおすすめします。
離婚すれば受けられる児童扶養手当の受給もなく、医療費免除などの優遇もない中で別居生活を続けるのは厳しいものです。
夫に安定した収入があり、生活費をもらえる場合には、離婚調停が不成立になっても別居中の生活費だけは確保できます。
婚姻費用の分担請求調停の申立てに、必要な書類は?
- 婚姻費用の分担請求調停の申立書
近くの家庭裁判所の案内窓口で、入手できます(無料)。簡単にですが、書き方も教えて下さいます。 - 夫婦の戸籍謄本
本籍地の市役所で入手できます。 - 夫婦の収入がわかる資料
- 収入印紙
- 切手代
切手代は、家庭裁判所によって異なります。
婚姻費用は申し立て月から認められる事がほとんどなので早めの申し立てをおすすめします。
保育料そのまま払っていませんか?
夫と別居はしているけれど、離婚はしていない場合。母子家庭であっても、普通の保育料を払わないといけません。
しかし、調停の証明書があれば、夫の収入を加味せずに計算してもらえる場合があります。自治体によって対応が違いますので、一度相談に行ってみて下さいね。
児童手当は、もらっていますか?
児童手当は、原則父母のうちの所得の高い方へ支給されることになっています。
しかし、離婚が成立していなくても受給できる場合があるのです。
- 夫に「児童手当・特例給付事由消滅届」(受給をやめる届)を提出してもらい、その後「児童手当・特例給付認定請求書」を提出する方法。
- 「児童手当等の受給資格に係る申立書」を自分で提出する。
離婚協議中ということが明らかになる書類(離婚調停の書類など)があれば、児童手当が受給できることがあります。
離婚が成立するまで時間がかかってしまう事もしばしばあります。1度、自治体で相談してみることをおすすめします。
子どもを調停に連れていける?
調停は、平日の昼間の時間帯に開かれるので、小さい子どもがいる場合、なかなか預け先が見つからないといったこともありますよね。そんな時、家庭裁判所へ子どもを一緒に連れていくことは可能なのでしょうか?
調停に子どもを連れていくことは可能です。
家庭裁判所によって違いがありますが、おむつ交換のためのベビーベッドや、授乳室の貸し出しをしているところもあります。小さい子どもを連れていても安心ですよね。
夫と顔を合わすことになるのでは?といった心配があるとは思いますが、子どもを調停に連れて行ったとしても、相手とは別々に調停が行われるのが基本となっていますので、相手と子どもが顔を合わせることはありません。
ただし、家庭裁判所という場所柄、調停中に静かにしていられない、おとなしくしていられないといった子どもは、迷惑がかかってしまいます。もし、可能であれば、自身の両親や友人などに預けておいたほうが安心して調停に出席できます。
調停の日を変更したい
子どもがいると、急な用事が入ったりするものです。
どうしても期日を変更したい場合は、家庭裁判所に「期日変更申請書」を提出することができます。
正当な理由があれば、調停の場合は変更が認められることが多いです。
期日の変更を、認めてもらえる可能性を上げるために、できる限り早く期日変更申請書を家庭裁判所へ提出するようにしましょう。
もし期日変更が認められない場合。家庭裁判所によっては変更を認めず、一方からだけでも話を聞くこともあります。欠席が、調停の有利不利に関わってくることは、ほとんどありませんので、1回くらい欠席されても特に問題はありません。
離婚調停の流れ
家庭裁判所につけば、まず受付に行きます。
受付に行けばどこへ行けばいいのかを教えてくれます。
その後、待合室に案内されるので、開始時間までそこで待機します。
夫婦別々の待合室が用意されているので、顔を合わせる心配はありません。
調停は調停室というところで行います。時間が来ると、調停室に案内されます。
離婚調停は、原則として1人の裁判官と2人男女それぞれ1名の調停委員で行われます。
まずは、離婚調停を申し立てた経緯を聞かれることが多いです。
約30分程度色々と話を聞いてもらったり、質問に答え、1度調停室を出て、待合室に戻ります。
その間に、今度は相手方(夫)が調停室に呼ばれ、先ほどと同じように説明を受け、調停委員が相手方の意見を聞き、こちらの意見を伝えてくれます。これも30分程度です。
この様に、別々に順番意見を言い合うのを繰り返しながら調停を行っていくのが基本になります。
このように約30分を2回ずつ順番に調停をしながら、第1回目の調停は2時間程度の時間がかかります。
基本的に、第1回目の調停が成立することはないので、次の第2回目の離婚調停の期日を決めて、第1回目の離婚調停は終了となります。
2回目で、離婚調停が成立しなかった場合は、3・4回と、ほぼ同じような感じで、離婚調停が成立、または不成立になるまでこれが続きます。
もし、離婚調停が成立した時は、「調停調書」という書面を作成してもらえます。それを、離婚届を市区町村役場に提出する際に併せて提出します。
離婚調停が不成立となってしまった場合は、「調停不成立証明書」を作成してもらうことが可能となり、裁判を申し立てる際に必要となります。
離婚調停はそんなに難しいことはありません。分からないことが多いからこそ、ストレスに感じてしまうのです。このように事前に必要なことを知っておくことで落ち着いて調停にのぞんで下さいね。