
ホームホワイトニングの注意点を総まとめ
更新日: 2018年10月27日
昔の芸能人は歯が命なんて言ってる時代もありましたが、今や一般人でも身だしなみとして常識となりつつあるのが、綺麗な白い歯ではないでしょうか。
ホワイトニングに関しては市販でも様々な歯磨剤やグッズが発売されている事からも歯の着色を気にしている人はたくさんいる事がわかります。
しかし、市販のグッズで満足する白い歯を手にされた方は少ないのではないでしょうか。やはり、ちゃんと白い歯を手にするためには歯科医院に行くのが一番です。
しかし、歯科医院で取り扱っているホワイトニングは医療用のため、取り扱いに注意が必要です。また、間違った使い方でトラブルが起きたり、効果が半減してしまう事もあります。
そこで、安全に安心してホワイトニングを行っていただけるように、主に自宅で行えるホームホワイトニングについての注意点をまとめました。
1.ホームホワイトニングとは
まずはじめにホームホワイトニングとは、簡単に言うと、自分に合ったマウスピースを作製しその歯の部分に自身で薬剤を注入、自宅で1日2時間以上の装着を2週間~数ヶ月ほど続ける事で徐々に歯を白くしていくものです。
他にオフィスホワイトニングという種類の歯科医院で数回に分けて行うホワイトニングもあります。
自宅で自ら行うホワイトニングになりますのでホームホワイトニングというわけです。
ホームホワイトニングのメリットはオフィスホワイトニングに比べ効果が持続しやすいのが特徴です。
またオフィスホワイトニングよりも安価に始めることができます。デメリットとしてはホワイトニングの期間が長いことです。
1-1.使用不可または効果が出にくいケース
ホームホワイトニングを行うにあたり、誰もが使用できるというわけではありません。使用禁忌な場合や副作用が出やすいケース、また効果が現れにくいケースがあります。
健全ではない歯がある場合
虫歯、歯周病、亀裂、歯ぎしり、かみしめによる歯の摩耗、歯の根元の露出、詰め物があっていない歯、こういった歯がある場合しみるなどの痛みが出る場合があります。
また、不正咬合や、口腔内不良の場合は薬剤が均等に行き渡らず、効果が得られにくい場合があります。
また、高齢者は若年者に比べて効果が現れにくいとされています。
無カタラーゼ症・妊娠中、授乳中・小児
上記に当てはまる場合はホームホワイトニングを行う事が出来ません。
無カタラーゼ症はホワイトニングの主成分である過酸化水素を分解することができないため使用禁忌となります。
どうしても歯を白くしたい場合は歯科医院に相談してみてください。
1-2.ホームホワイトニングの種類
日本の歯科医院で扱われているホームホワイトニング剤は代表的なものが4種類あります。
商品名は、オパールエッセンス、松風シェードアップ、NITEホワイトエクセル、GC TION。
日本では過酸化水素という歯を白くする成分が10%以下のものまでしか認められていませんので、すべて10%です。特に大きな違いはないと考えていいでしょう。
しかし、海外には10%以上過酸化水素が配合されているジェルもあり、歯科医院が個人輸入をしている場合もあります。受診する歯科医院にどの種類のジェルがあるのか知る事も大切です。
受診した際はジェルの過酸化水素の配合率を教えてもらい、自分に合ったジェル歯科医院と一緒に選んで使用しましょう。
1-3.輸入品のホームホワイトニングの注意点
もし、受診した歯科医院に国内の10%過酸化水素ジェルと輸入の10%以上のジェルがあった場合、当然、配合率の高いジェルの方が効果が早く期待でき、良いように思われますよね。
ここで注意していただきたいのは、輸入品は欧米人向けのために作られたもので、日本人向けには作られていないという事です。
欧米人は日本人に比べ、歯の外側の壁(エナメル質)が厚く、丈夫です。
日本人が使う時には使用時間や方法をより明確に守る必要がありますし、使用が向かない方もいます。必ず歯科医院の指示通りに使用するようにしましょう。
2.マウスピース
良く皆さんが耳にするマウスピースといえば、スポーツ選手が使用するマウスピースや夜寝る時にはめるナイトガードと呼ばれるマウスピースだと思います。これらのマウスピースは食いしばりから自身の歯を守る役割があるため硬い素材でできています。
ホワイトニング用のマウスピースはそれらとは異なり、液体を歯に定着させる役割があり、また、製作工程で細かい加工もしやすいため、シリコン製の柔らかい素材になっています。
製作は上下ホワイトニングを行う場合は上下の歯型を採り、歯科医院が製作します。
2-1.マウスピースの注意点:ジェルの量
ホワイトニングをはじめると1日約2時間ほどマウスピースをはめる事になります。最初は違和感がありますが、これは徐々に慣れていきます。
注意してほしい事は、まず、マウスピースの歯に注入するジェルの量です。
基本的にホワイトニングは笑った時に見える範囲(上下各6本~10本)を行います。
ジェルの容器はシリンジ型になっていて、どのメーカーのものにもメモリが付いています。1メモリが0.5mlでだいたい6歯分と言われています。
その人の歯の大きさなどでも変わってきますので歯科医院の指示に従って使用してください。
過度に1回量を増やしたからといって効果が増すものではありません。逆にマウスピースからはみ出し歯茎についてしまう事がありますので、ジェルの量をしっかり守るように注意してください。
もしジェルがはみ出してしまった場合は、脱脂綿やティッシュなどでふき取るようにしてください。
2-2.マウスピースの注意点:強く噛まない事
次にマウスピースを強く噛まない事。柔らかい素材ですので、強く噛むと穴が開いたり破れてしまいジェルがはみ出してしまうため使用できなくなります。
破れてしまった場合は、作り直しになってしまいますので注意してください。
マウスピース中はお食事も出来ません。
2-3.マウスピースの注意点:保管方法
使用後のマウスピースは流水で綺麗に洗います。指や柔らかい歯ブラシで傷を付けないように優しく洗ってください。また歯磨剤は使用しないでください。
口に入れるものなので、そのままにしておくと菌が増殖し不潔になります。タッパーや専用のケースに保管して清潔を保ってください。
また直射日光が当たらない湿気の少ない涼しいところで密閉してください。冷蔵保管は温度が低すぎるため、冷蔵庫での保管はしないでください。
3.装着中の注意点
マウスピースの作製を歯科医院にお願いし、出来上がり歯科医院での取り扱い説明や写真撮影などが終わると、いよいよ自宅でのホワイトニングがはじまります。
まずはジェルが浸透しやすいように歯磨きを丁寧にすること、食事が装着中の2時間と外した後2時間ほど取れないので食事終わりが適しています。
また例え短時間であっても誤飲の危険性があるため睡眠中の装着は禁忌とされています。
素材が柔らかいため、着脱は丁寧に行い、外した後は口をよくゆすぎ、フッ素入りの歯磨剤をつけた歯ブラシで歯磨きをすることをお勧めします。
3-1.装着中の注意点:しみる
マウスピースを装着する時間はそれぞれの歯科医院で指示を受けていただきますが、だいたいは2時間程と言われるかと思います。
中には、まず1日目は30分つけて様子を見るように伝えられる場合もあります。
なぜ時間にこんなにも慎重にしなければならないかというと、ホワイトニングのジェルで決して少なくない確率で知覚過敏の症状を誘発させることがあるからです。
とくにもともと知覚過敏のある方、歯がすり減っている方、歯に亀裂がある方はより慎重にならなくてはいけません。
多くは一時的なもので1日休むなどの対処をし、ホワイトニングを続ける場合やしみ止めとしても使用されるフッ素を塗布したり、レーザー治療を行う場合もありますが、場合によっては中止になったり、もしくは自己判断で続けていると、しみ方が強くなり、神経を取らなければならなくなります。
もし、ホワイトニングをはじめて、しみる症状が出た場合の対応をあらかじめ歯科医院に聞いておくといいでしょう。
3-2.装着中の注意点:食事と飲みもの
ホワイトニング中には、いくつか禁止事項があります。その一つが色のある食べ物飲みものの禁止です。
着色しやすい食品は以下の通りです。
ポリフェノールを含む食材
- コーヒー
- 紅茶
- ウーロン茶
- 緑茶
- 赤ワイン
アントシアニンを含む食材
- プルーン
- ぶどう
- いちご
- ベリー類
人工着色料を使用したもの
- カレー
- ビーフシチュー
- ジュース類
その他
- 醤油
- ソース類
- マスタード
- ケチャップ
これらが食べたり飲んだり出来なくなるのは大変!無理!という方は多いかと思います。
しかし、ホワイトニング中の歯はいつも以上に着色を吸収しやすい状態になっています。着色する食べものや飲みものを摂ってしまうと、せっかく漂白された場所に着色が入り込み、適切な効果が得られず、期間も延びてしまいます。
また、単独では着色しませんが、着色しやすいものと一緒に摂る事で着色を助長する食品があります。以下の通りです。
- 炭酸飲料:コーラなど
- シュウ酸:ほうれん草、バナナ
- クエン酸:レモン、グレープフルーツ
- 酢を使用したもの:ドレッシング類
これらの食材も期間中はできる限り避けるようにしてください。
3-3.装着中の注意点:タバコ
また上記の着色する食べもの、飲みものと同じ理由でタバコも控えてください。着色の原因となり、適切な効果が得られなくなります。
また、マウスピースを装着した状態でも喫煙、飲食はしないでください。
3-4.装着中の注意点:まだらになる
ホームホワイトニングを開始すると数日で歯に白い斑点のようなものが現れることがあります。せっかく綺麗にしようとしたのにどうしよう。と思う方も多いと思いますが、これは一時的なものです。
原因はホワイトニングのジェルによる乾燥や歯の白くなりやすい部分となりにくい部分の差がある場合です。
どちらもホワイトニングを継続して行っていくことで数日でわからなくなっていきます。
まだらになったために格好が悪いので歯につける色のついたコーティングを使う方がいますが、使用後必ず綺麗に除去してください。少しでも残っているとその部分がホワイトニングされなくなってしまうため注意が必要です。
3-5.装着中の注意点:ジェルの誤飲
ホワイトニングのマウスピースを装着中、はみ出した部分を拭き取ってもどうしても液がはみ出してきてしまうことがあります。
誤って飲み込んでしまって心配になってしまう方もいるかもしれませんが安心してください。
国内で使用されているホワイトニング剤は、すべて厚生労働省の認可がおりたものとなっていて、 身体への影響は無いと言われています。
もし、ホワイトニングのジェルを誤飲してしまっても、主成分である過酸化水素水は唾液や消化物質などと反応して分解をするため、毒性はなくなります。
ただしまれに、口内の粘膜や食道など比較的弱い部分に薬剤が付着した場合、化学反応を起こし火傷する可能性があるので注意が必要です。
だだし、これも歯科医院で行うホワイトニングで、濃度の高いジェルを使用したときの注意点として言われることが多いため、ほとんど心配することはありませんが、念のため誤飲には注意するようにしてください。
4.ホームホワイトニングの効果
はじめに歯科医院を受診し、マウスピースを作製してもらい、マウスピースを受け取る時にホワイトニングのスターターキットを渡されます。
中には各メーカーで多少異なりますが、マウスピースケースやホワイトニングジェル、色見本、使用方法の書かれた冊子などが入っていることが多いです。
ジェルは2本入っていてだいたい2本を2週間で使います。
行う歯の本数によって異なります。
ホワイトニングは1クール2週間で行います。だいたいこの2週間を目安に効果に満足がいったか、もう少し続けるかを決めます。
基本的に個人の感じ方の問題になるので、自分で決めて大丈夫です。
なかなか自身では毎日見ているので効果がわからない方もいるかもしれません。初診時に歯の写真を撮ってくれる歯科医院もありますので参考にしてみるのもいいかもしれません。
4-1.ホワイトニングの効果:色
参考までに歯の色について補足をします。
人の歯は層になっていて、1番外側をエナメル質、次が象牙質になっています。
エナメル質は綺麗な白透明をしています。象牙質はその名の通りアイボリー色でこの象牙質の着色した色がエナメル質から透けて見え黄色っぽく見える仕組みです。
日本人の平均的な色は専門用語でA3という色です。年配になってくるとこれがワントーン落ちA4くらいになってきます。
つまり数字が増えると暗い色というわけです。
ホワイトニングをされる方はだいたいワントーンからツートーンアップを目指してホワイトニングをします。
つまりA2やA1ですね。
A1は真っ白な歯になりますが決して不自然ではありません。ちなみに、歯が白すぎて少し不自然な芸能人がいますよね、ああいう方たちはA0という、さらに真っ白な色もあります。
歯科医院にはそれぞれの色のサンプルも置いてありますので、それを見ながら自分の目指す色を決めてみてください。それによりホワイトニングの期間も変わってきます。
4-2.ホワイトニングの効果:終了後の注意
一般的にホームホワイトニングは効果が長続きし、長期的な白さを保ちたい人に向いていると言われています。ただ、各個人の食習慣で大きく効果の持続期間に違いがあるため、厳密にどのくらいとは言うことはできません。
ですが、せっかく頑張って手に入れた白い歯なので効果をなるべく長続きさせたいですよね。そのための注意点を紹介します。
- ホワイトニングが終わった歯は着色が入りやすい状態になっています。終わってからも2週間程は着色のしやすい食材はなるべく避けた方がいいでしよう。
- また食事後の歯ブラシなども効果的です。歯磨きがどうしてもできない場合はうがいなどもするといいでしょう。なるべく着色が中に入り込んでしまわないようにしてください。
5.継続的な白い歯を維持するための注意点
ホームホワイトニングに永久な効果はありません。時間が経つにつれ徐々に元の色に戻ってきます。
もし、白い歯を維持するのであれば、3ヶ月~6ヶ月おきの定期検診を歯科医院で行うことをお勧めします。もし必要であればそこで、タッチアップホワイトニングといって必要に応じたホームホワイトニングを数回行います。
ここで注意していただきたいのは、ホームホワイトニングを終了した方の中には、自分でジェルを取り寄せ、黄ばみや着色が気になった時にホワイトニングを行うように使っている方もいると思います。
しかし、自身の歯や口腔内は日々変化をしています。同じジェルを使って、以前しみなかったのに今回ものすごいしみ方で収まらず神経を取ってしまったという話も聞きます。
出来るだけホワイトニングをはじめる前には歯科医院を受診し、口腔内をチェックしてもらってから行うことをお勧めします。
最後に
最後になりますが、今の時代、綺麗な口元はその人の第一印象を左右するといっても過言ではありません。面接や営業、仕事の場面ではもちろん、婚活など、様々な場面で実は見られているものです。白い歯の人の笑顔はとても明るく見えますよね。
昔は手の届かなかった美容整形や脱毛などが比較的身近に、そして安価に受けられる時代になってきています。
そう考えると、ホワイトニングは最も手軽にはじめやすいものなのかもしれません。
確かに、昔に比べ安全性は格段に増したかもしれませんが、使い方を間違えると危ない医療用のものなのだということを忘れてはいけません。
しっかりと、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
ぜひ、信頼できる歯科医院を見つけ、素敵な白い歯で人生明るく楽しく過ごしましょう。