
男性が白髪染めと上手に付き合っていく方法
更新日: 2018年10月27日
白髪って必ずできてくるものです。避けては通れない道ですから、白髪のことを知り、白髪対策の主力である白髪染めのことを知り、白髪とうまく付き合っていく方法を模索していきましょう。
今回は特に男性の白髪染めについて考えていきます。
男性におすすめの白髪染めの方法や男性に白髪染めをすすめる理由を挙げながら白髪について徹底的に解説していきます。
1.白髪っていつぐらいから生えてくるの?
1-1.白髪ってそもそも何なの?
白髪っていつの間にかありますよね。身に覚えのある方も多いでしょう。
白髪はいつの時代でも年をとった象徴としてあるものなのですが、そもそも白髪って何でしょう?そこを明らかにするところから始めていきましょう。
白髪とは本来毛髪の中に入れられるべきメラニン色素が何らかの理由で作られなくなって髪内に入れられず、毛髪として成長していった状態のことをいいます。
通常、メラニン色素は毛髪が作られる毛母細胞の近くにあるメラノサイトというところで作られて毛母細胞に送られるのですが、時としてメラノサイトがメラニン色素を作ることを休んでしまいます。
なぜメラニン色素を作ることを休むのかは色々と原因があるのですが、主な理由としては細胞の老化、ストレスによる稼動不全が挙げられます。
そして、メラニン色素はなくても毛髪は作られ続けます。
もともとメラニン色素が毛髪に入る理由は太陽からの紫外線を和らげるためなので、必ずしもメラニン色素が必要と言うわけではないのです。
こうしてメラニン色素抜きで作られた毛髪が白髪となるのです。
人によって白髪の生えはじめはさまざまですが、通常は30代のうちからできると言われています。ただ、最近は生活習慣の変化や食習慣の乱れにより20代のうちから白髪が生えてくる方も多くなっています。
人間として生きていく以上、白髪は避けては通れないものですので、どういう付き合い方を選ぶのかがとても大事になってくるのです。
1-2.白髪を染めることの意義
白髪はいずれみんな生えてきます。
では、白髪が生えるとどうなるのでしょうか?
まず白髪が生えてきてから気がつく変化は、見た目が変わってきます。「当たり前だ!」とお思いでしょうが、実はこの見た目の変化はとても大きいものなのです。
初めて白髪が出てきたときの気持ちは「とうとう来た!」という気持ちなのです。
自分より年上の人間が白髪を生やして老いていく、そのプロセスを目にして今まで生きてきたのですから、自分にもそういう時期がやって来たという気持ちが自然と沸き起こってくるのです。
白髪が生えているのを目にしたときにどうするのか?
まず考えるのは白髪を隠すことでしょう。
「自分はまだそんな白髪が生えてくるような年齢じゃない、白髪はまだ先だ」と思うのが人の感情ですから、白髪を隠す方法をまずは考えます。
そこで生み出されたのが白髪染めであり、その主流はアルカリカラーによる白髪染めです。
白髪を隠すことで見た目の若さを保つこともでき、自分の精神衛生上も安定して日々を過ごす事ができる白髪隠しの方法はとても意義があるものなのです。
2.白髪染めの種類
2-1.市販品の白髪染めと業務用の白髪染めの違い
それでは白髪を隠すための方法の一つとして白髪染めを考えていくことにします。
白髪染めは読んで字のごとく白髪を希望の色で染め上げることで白髪の白さを隠し白髪を目立たなくする方法です。
主に白髪染めに使われるものとしてはアルカリカラーと呼ばれる染毛剤が挙げられます。また毛髪の表面を染色剤で塗り染めるヘアマニキュアという薬剤もあります。
さらに一時的に毛髪に色をつけるものとしてヘアスプレーやヘアムースなどのスタイリング剤に色素を配合したカラースタイリング剤というものもあります。
最近ではトリートメントやシャンプーに色素を配合して毎日のシャンプーやトリートメントで毛髪を染めるものも登場してきています。
白髪染めに関する商品は実に多岐に渡って販売されていますが、市販品と業務用とでの違いはあまりありません。
ただし、アルカリカラーについては市販品と業務用で違いがあります。
単純に比較しますが、市販品のアルカリカラーは業務用のアルカリカラーと比べて約2倍の力を持っています。
市販品はどんな髪質の方でもきちんと染められるようにあらかじめ薬剤の力をかなり高めて作られているのです。
業務用のアルカリカラーは染める方の髪質に合わせて理美容師が薬剤の選定をしてくれますので業務用は薬剤の力はあまり強くありません。
アルカリカラーについてはこの違いを考慮しておく必要があるのです。
2-2.市販品にある男性用と女性用のカラー剤の違い
市販品のカラー剤にはよく男性用、女性用と区別がされているカラー剤がありますが、この違いについても見ていきましょう。
男性用と女性用の区別があるのは主にアルカリカラー剤においてです。
成分面から見ると、実は男性用と女性用で違いというのはまったくありません。男性が好みそうな色、女性が好みそうな色を選んで男性用、女性用としているだけなのです。
色の面から見ると女性用では暖色系の色に染まるカラー剤が主になっています。対して男性用のカラー剤には寒色系の色に染まるカラー剤が多く、また黒髪にしたい方向けの黒染めカラー剤も多いです。
市販品のアルカリカラー剤はこのように色味の違いだけで男性用と女性用に分かれていますので、好みによっては男性が女性用のカラー剤を使って染めるのも、女性が男性用の黒染めカラー剤で黒髪に染めるのも問題ありません。
2-3.理容所、美容所での白髪染め
では、白髪染めはどこで行うのがもっともやりやすいのでしょうか?
一番手っ取り早いのは自分で白髪染め用品を買ってきて行なう方法です。
手っ取り早く、また費用も一番安く済みますがデメリットもあります。一番のデメリットは周りを汚しやすいことです。
というのも、ほとんどのカラー剤は毛髪以外のところについてもついたところが染まってしまうからなのです。
ご自分でカラーをされる方は基本的に自宅の洗面所かお風呂場でカラーをされます。
この時に、誤って壁にカラー剤をつけてしまったり、床にカラー剤をこぼしたりしてしまうことがあります。
たとえ、すぐにふき取ったとしても後日カラー剤がついたところが発色して色が変わってしまうなんてことはよく聞く話です。
このデメリットを避けるためには、理容所、美容所という専門のサロンに行き染めてもらうのが一番です。
また、自分で染める時には自分の目が届かないところに染め残しを作ってしまう可能性があります。
特に利き腕ではないほうの襟足などにカラー剤がつけられなくてそこだけ染まってなかったという事態にもなりやすいです。
それでは、理容所や美容所で白髪染めをするのにはどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
まず一番メリットなのは専門の設備がある店舗で染めますので自宅を汚すことがありません。
それから、専門のスタッフが施術を行ってくれますので染め残しがありません。
また、理容師や美容師は専門知識を習得したプロですので、自分にどんな白髪染めが似合うのか、どうしたらいいのか分からないと言った時に相談できるのも大きなメリットです。
それに理容所や美容所で使うカラー剤は微調整が効くように作られていますので、ダメージを抑えながら希望通りに白髪を染めていくコントロールもすることができます。
デメリットとしては、プロに染めることを依頼しますので当然費用がかかってきます。また、営業時間に店舗まで出向かなければならないといった手間が生じます。
自分でする白髪染め、プロの理容師や美容師にしてもらう白髪染め、それぞれにはこんなメリット・デメリットがあるのです。
2-4.男性にとって適した白髪染めは?
男性が白髪染めをする点で考慮すべきは毛髪の長さです。
それは、毛髪のためには染めると言う行為によって毛髪が受けるダメージを常に考慮する必要があるからなのです。
時代のトレンドもありますが、基本的には男性は髪を短くします。ということは、ダメージの蓄積された毛先は数ヶ月で切られてしまうのです。
対して、女性はヘアスタイルにより髪を長くします。例えば、腰の辺りまでのロングヘアにするのならそこまで毛髪が成長するのに数年はかかるでしょう。
気をつけなければいけないのは、毛髪というものは使い捨てなのでダメージを受けたら回復しません。
ダメージを受けすぎた毛髪はいずれ枝毛となって切れてしまいます。
なので、ロングヘアのスタイルを実現するために髪を伸ばすのであれば、ダメージによって毛髪のライフが0にならないように極力ダメージを抑えるためにアルカリカラーやヘアマニキュアやトリートメントなど染める方法を検討する必要があるのです。
ということで、短髪の男性の方であればダメージが蓄積してもそれほどの間を置かずにダメージ部を切ってしまうので、白髪染め用品の中でも1番力の強く、1番染まりが長持ちするアルカリカラー剤を使ってしっかりと白髪を隠していくのがもっとも適しているでしょう。
ロングヘアにしたい男性の方であれば女性と同じように染めることによるダメージを考慮して、それぞれに適した白髪染め方法を検討する必要があります。
3.アルカリカラーのメカニズム
3-1.アルカリカラーが染まる仕組み
ここで、白髪染めをはじめとした毛髪の染色にもっともよく使われるアルカリカラーのメカニズムについて触れていきます。
アルカリカラーは1剤と2剤を混ぜ合わせた液を毛髪に塗布して毛髪を染めるカラー剤です。1剤にはアルカリ剤、染料、界面活性剤が含まれ、2剤には過酸化水素が含まれています。
1剤に含まれているアルカリ剤の一部と界面活性剤が毛髪内部に染料と過酸化水素を送り込み、送り込まれた染料はアルカリ剤と過酸化水素から生じる酸化力で染料同士が合体して大きな染料の塊となります。
染料は外から染料の色が見えるくらいまで大きくなり、またその大きさがアルカリ剤と界面活性剤が送り込んでくれた道より大きくなるため色が抜けにくくなるのです。
3-2.アルカリカラーのメリット、デメリット
このようにアルカリカラーは薬剤の化学反応を利用して毛髪を染めるカラー剤です。
アルカリカラーのメリットは発色の持ちがよいことです。他のどのカラー剤よりも色持ちがよく、2ヶ月くらいは元の色味を保てます。
また、配合によってはアルカリ剤と過酸化水素が毛髪内のメラニン色素を破壊しますので髪が明るくなります。毛髪を明るく染めたい方には必須のカラー剤となっています。
アルカリカラーのデメリットとしては、薬剤にアレルギーを持つ方には使用できないという点があります。アルカリカラーは使う前にパッチテストを行い、アレルギーが発生しないか確認をする必要があります。
また、アルカリによる化学反応を利用するためアルカリを中和する必要があります。
アルカリを中和しておかないと毛髪にダメージが蓄積し、せっかく入れたカラーの色持ちが悪くなります。
市販品でも業務用でもアルカリカラーの原理は同じなのでデメリットには特に留意して使用する必要があります。
4.男性におすすめのカラー剤
4-1.アッシュ系のカラー剤がおすすめ
それでは、今度は男性にとってどんな色が似合うのか、色味の面から考慮していくことにします。
男性用白髪染めでもっとも種類があるのは黒、ないしはダークブラウンと言った日本人の黒髪に最も近い色味をもったカラー剤です。
これは白髪を隠していく、元の黒髪の状態に戻したいというニーズが多いことのあらわれなのですが、黒髪に対して「堅い、誠実」といった人のイメージを抱きやすいというものもあります。
事実、ブラウンの色味を持ったいわゆる茶髪に対して、人は「明るくなった」という印象を抱くことが多いですが、その反対に「軽くなった」という軽薄さをイメージするような印象を抱くこともあります。
これは特定の職業においては他人にマイナスな印象を与える可能性があります。なので、白髪染めで暗い色味を使う方はまだまだ多いのです。
しかしながら、茶髪は一律に軽薄なイメージなのでしょうか?
実は茶髪であってもその色味は様々であって、茶色の中でも引き締まった印象を与える茶色があるのです。
それは、一言で言えば「赤みの少ない茶色」です。
つまり、茶色の中に青ないしは緑といった寒色系の色味が見えるようなカラー剤で染めることで、茶色の色味が落ち着いて茶髪であっても引き締まったイメージを与えてくれます。
具体的な色名をいうと、アッシュブラウン、マットブラウンといった名前です。
この系統の色であれば、派手な茶色に染まることなくキリッと引き締まった茶色に染め上げることができます。
白髪は隠したい、けれども黒髪に戻すのではなくイメージを変えて少しだけおしゃれした感じが欲しいという男性の方にとって、おすすめのカラーといえます。
4-2.こんな白髪染めもおすすめ
先ほどは寒色系のブラウンカラーをおススメしました。
しかし、白髪に対する意識において男性と女性では大きく違う点があります。
それは、白髪が持つイメージの捉え方に大きな違いがあるのです。
白髪から連想するイメージはたいてい「老い」であり、女性は自分に白髪ができた時には必ず隠したがるものです。
が、同時に白髪から「経験」「老獪さ」といった年月を積み重ねた年輪のようなイメージを連想することもあり、高倉健のような老年の俳優が白髪交じりの頭で見せる演技には長い年月を経た人生の渋さや深み、酸いも甘いも噛み分けた独特の輝きが見られます。
こういったイメージはいいものだという意見を持つ男性は決して少なくはないでしょう。
しかしながら、そういう意見を持つ男性の方でも周りからは白髪を何とかして欲しいという意見をいわれることが多いでしょう。
そのような男性の方に対しておすすめできるのが、白髪ぼかしという新しいカラーリングです。
従来の白髪染めは白髪を隠してしまおうというのが主な目的でしたが、白髪ぼかしは白髪があるのを上手に残したまま渋さを強調した色味でカラーリングしようという目的で作られました。
具体的には、白髪をグレー主体の色味で染めてしまい、黒髪と白髪のコントラストを下げることで渋さを上手に演出した白髪染めをするものです。
白髪染めは白髪を隠すものだという従来の認識を覆し、白髪染めの新しいスタイルを開拓した白髪ぼかしというカラーリングは、老いを楽しむという感覚を提案する上でおススメの白髪染めといえるでしょう。
4-3.大事なのは続けられるスタイル
以上、男性の白髪染めに対するおすすめの方法を二つ挙げてみました。
しかしながら、もっとも大事な点は白髪染めをどのようにして自分のライフスタイルの中に組み込んでいくかという点です。
白髪は一度できてしまうと、元の黒髪に戻るというのはなかなか難しいものです。
白髪といかにして付き合っていくかということを選び、それを続けていくことを模索していく。
言葉に表せば簡単なのですが実行していくのはなかなか大変なものです。
飽きないように、また白髪染めを特別な作業と思わないように、当たり前のものとして日々の営みの中に上手に組み込んでいくことが、白髪染めとうまく付き合っていける方法ではないでしょうか。